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恋してキスして抱きしめて

第13章 夏の嵐

胸より少し上の、茶色がかったロングヘア。


千夏が話してる途中から、そのサラサラの髪に指を通すと


俺と同じシャンプーを使ったはずなのに、甘くて爽やかな香りが漂ってきて………



「……ユーリさん……?」



何も言わない俺から、そっと体を離すと


千夏は大きな瞳で、じっと俺を見つめてきた。



「…………」



……昨日決意したばかりだっていうのに


抱きたくて、仕方ねぇ。


……だけど


明日になれば、千夏はハタチになるから


我慢だ、今年28歳になる大人の俺。



「……おはよ、ちーちゃん」

「……? は、はい。
おはようございま………っ!!」



顔を片手でぐいっと持ち上げて、少し強引に口を開けさせて


舌を絡めると、腕の中でビクビクッと体が揺れた。



「……っ ん…あ……」

「……気持ちぃー……」

「んん……っ」

「仕事、行きたくなくなるな」



キスの合間に囁きながら、何度も角度を変えてその舌を吸い続けたから


唇を離した時には、すでにその瞳はとろんと溶けていた。


その表情も、昨日より数倍も妖艶に見えて


……やめておこう。


キスだけと思ったけど、これ以上続けたら腰にクるから無理だ。

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