テキストサイズ

恋してキスして抱きしめて

第13章 夏の嵐

「ここまで来て何言ってんの~」

「でも、出勤前なのに……」

「いいよ、時間あるし」

「通勤の電車と違うのに、わざわざ遠回りさせちゃって……」



尚もオドオドした態度で、俺の顔色を窺う千夏。

マンションを出てからずっとこんな感じなんだよね~。

気ぃ遣いすぎなんだよね~。



「あのねちーちゃん。
“ 俺が ” 送りたかったんだからいいんだよ」

「………!」



大学までの大通りを歩きながら、その肩をぐっと抱き寄せた。



「彼女を送ったり迎えたりするのは、彼氏として当たり前のことなんだぜ?」

「………!!」

「なに、その顔」

「か、か、かっ彼氏なんですか……!?」

「え?違うの?傷付くな。
俺の中ではもうそうなってんだけど」

「………!!
そ、それなら……あたしがユーリさんの彼女……っ」

「うん」

「~~~~!!///」



わー、キラキラ感MAX。


毎回反応が過剰すぎて、いちいち心に響いて困るんですけど。


泡を吹いて倒れそうになったその体を支えて進むと、大学の正門が見えてきた。


早いな、もう着いちまった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ