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恋してキスして抱きしめて

第14章 友人の言葉

数年ぶりに夏輝と再会した話をしても、ヒメは特に驚く素振りは見せず


グラスの氷をカラカラと鳴らして笑った。



「危ねぇな。夏輝とサシで飲んだりするなよ」

「?」

「貞操は守れたのか?」

「は?貞操?」

「あいつお前のこと好きじゃん」



……んなアホな。


ヒメの狂言を聞いて、溜息と一緒に煙を吐く。




女っ気の無い夏輝を、俺もゲイだと思ってたけどさ~~


あの容姿と風格からして、チェリーボーイって気は全くしねぇんだよな。


千夏が兄に対して正常な感情を持っていたことで、近親相姦疑惑は払拭されたけど


夏輝の方が千夏のことを心配して、大事に想っているのは明らかで


女そのものが無理ってわけでは、ないんじゃねーかって………



「…………」



………実は、少し引っ掛かってる。


千夏の可愛さや健気な振る舞いを、身を以て知ったからかもしれない。



“ ただし、絶対に手を出すな ”



恋愛教育係なんて、ぶっ飛んだ依頼をしてきた


……その、本当の理由は………

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