テキストサイズ

恋してキスして抱きしめて

第14章 友人の言葉

「次に夏輝が帰国した時は俺も呼べよ。
守ってやるから」



無駄に色気を振り撒く、重低音のヒメの声で思考を止める。


……夏輝と会ってから、1ヶ月が経とうとしているけど


ここ数週間の間だけで、やたら大学の奴らと関わってるなと改めて思った。



夏輝と、千夏と、ヒメと



………そして




「………ヒメ」


「んー?」


「先週、朱莉に会った」


「…………!」




目の前の夜景を見つめたまま、煙草を灰皿に潰す。


……話の流れから、無意識のうちに言葉にしていたけど


昔からこいつには何でも喋っちまう俺は、どこかでこのタイミングを探っていたのかもしれない。



「……その名前、久しぶりにお前の口から聞いたな」



夏輝の話をした時は、無反応に近かったくせに


ヒメはグラスを置くと、体を俺の方に向けた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ