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恋してキスして抱きしめて

第16章 俺は、ここにいる

「目覚めたついでに、思い込みの酔いも醒めたよね?」

「………!」

「水飲む~~?
ちーちゃんが買ったやつ、さっき冷蔵庫に入れて……」



キッチンの方に目線を向けて、立ち上がろうとしたユーリさんの腕を


あたしは堪らずに両手で引き留める。



「ん?どした?」

「……っ あ、あたし……」

「ちーちゃん?」



再び座り直したユーリさんと、目線の位置が並んで



「………!」



あたしは飛び込むように、彼の首に腕を回して抱きついた。



「……逢いたかったんです……」



肩に顔を埋めて、止めどなく溢れてくる想いを口にする。



「逢いたくて、ユーリさんの顔が見たくて……」

「…………」

「心臓が破裂してしまいそうです……っ」



少しでも早く逢えて、嬉しくて嬉しくて仕方ないはずのに


……どうしてかな


同じくらい、恐怖が駆け巡って、体が震えてしまう。

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