短編集。
第4章 僕の彼氏は殺人犯。
「...る...っ」
ん?
「...?」
んー。なにぃ?
「...はるっ」
「んん...むっ」
「あ、起きた。おはよぉ」
と、ニコニコ俺の顔を見て笑ってる俺の大好きなかずき。
「んー。あ、おはよぉ~」
「はは、なんやそれ」
ちゅっ
毎朝、起こしてくれて。毎朝、キスしてくれて。寝る時だってキスしてくれて、キスしない日がないくらいに溺愛されてる僕。
「んっ。かずきぃ」
「なんや?」
「だっこしてぇ」
「はいはい、おいで?」
「んっ」
そして、毎朝だっこしてもらうのも日課。
だってぇ?落ち着くんだもんっ
「ほら、はる顔洗いいや」
「んー、やだぁっ」
「もぉ、わがまま言わんといてやぁ」
「むーっ」
「顔洗ったら、拭いてあげるからはよ洗わんと知らんで?」
これも日課。
「はい、じゃあご飯食べて。歯磨いて、学校の準備して学校一緒に行くで」
これも、日課。ずーっと変わらずに繰り返してきた日常。
「じゃあ、行くで?」
「行ってきまぁーす」
しーん。
ただ、少し変わったのは声が帰ってこないってこと。
お母さんとお父さんが行方不明になったことだけ。
そして、僕の体にある傷が治ってきたってことだけ。