短編集。
第4章 僕の彼氏は殺人犯。
「ん?」
ガサガサッ
なんの音だろ?んー?今何時?
時計を確認すると、今は夜中の2時。
「この音どこからだろ?」
たぶん、気持ちよすぎて意識がなくなったんだと思う。
「ふふーん。僕の推理はあたってるはず」
かずきを起こそうと思って隣を見る。
「あれ?かずきぃ?」
ガサガサッ
あ、もしかして。この音の方にかずきがいるのかも!
「よいしょっ」
トテッ
ベットから降りて床に足を付ける
僕歩けるかなぁ?気をつけて歩かないと。
「ん?おー。立てた!よし、行こう♪」
部屋を出て。音のする方を探す。
「3階のあの部屋から聞こえるのかな?」
お母さんが、あそこには入るなってずーっと言ってた部屋。
開かずの間って言ってたけど。あそこ、開くんだ。
僕は3階に向かう。
「3階ってあんま行かないなぁ。
んー?なんで僕あの部屋からってわかったんだろ?」
勘ってやつ?
ガサガサッ
だんだん音が近づいてくる。
「やっぱり、あの部屋だ。」
グチュ
ん?なんの音?
ビチャビチャッ
「んっ。くさぁい」
なんかが、腐った臭い。
「かずきぃ?」
その部屋をのぞく。
「...っ...はる?」
「ぇ?なに...これ」
目の前には、まるで人形のように柩に入っている人間。
そして、台の上に乗っかる人間の内蔵をとるかずきが真っ赤になって
「...は...はる!見たらあかん!早く部屋に戻りぃ!!」
目の前には、血まみれのかずき。
「どーして、そんなとこにいるの?
なんで、そんなに悲しそうな顔してるの?」
すごく、苦しそうな顔をするかずき。
ふと、台の上の人の顔を見る。
「へ?たける??」
たける?たける、どーして?なんで?
「え?なんで...僕の...せい?
また、僕が悪いことしたから?そーなの?」
「はる!ちゃう、はるのせいやない!」
「嫌だ、嫌だ!僕のせいで人が死ぬのはやだ!...殺して...?...殺してよ!!...殺し...」
「はる?はる!!!」
目の前が真っ暗になって。見えるのは、かずきと真っ赤な涙だけだった。