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白の歌姫

第3章 もうひとつの旋律

夏休みに入った。
梨杏は、いつもよりやや遅い時間から指導だった。
校舎内に入って、カセットの音楽を止めた。
その日のワンピースは彼女のお気に入りの白のワンピース。
いつものように幾つかの音楽室を通りすぎる。
そうして、いつものように小さな音楽室に入る予定だった。


梨杏は足を止める。
目の前には開かれた扉。
その音楽室からはピアノが聞こえ、幾人かの話し声が聞こえた。

カセットを止めていた梨杏の耳にはその音がすっと届いた。

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