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白の歌姫

第4章 それから

一時間くらいだろうか、梨杏はぼんやり座っていた。
一時は混乱していたが、今は落ち着いていた。
結城の言葉を考えて、けれど何がいけなかったのか解らず、自分の歌を思い返していた。

扉が開き、優しく微笑みながら高橋が入ってきた。
そして窓が開け放たれているのを見つける。微笑みが、消える。
梨杏が振り返る。
そこには無表情の高橋が立っていた。

「…窓を開けたの?」

何故そんなことを訊くのか分からぬまま梨杏は頷く。

「そっか。」

高橋は、窓に近づき、勢いよく閉めた。
大きな音がして、梨杏は覚えずビクッとする。

なんだろう、こわい。
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