
君模様
第3章 君初
「おいっ、高橋!!ダーリンが呼んでるぞ」
クラスのだれかがあたしを呼んだ。
まだ、少し冷やかされるけど、これもこれで幸せだった。
ドアを見るとー君。
笑ってる君がいた。
「鷹島くん」
走って駆け寄る。
「どーしたの??」
伸長は、君のが断然大きいから_つい、上目遣いになってしまう。
「ちょっ…そんな目で見ないで。ゃばいって。だめ…抱き締めたくなるぢゃん」
と、ギュッと抱き締められた。
(え??)
「ぇっと、ここ学校だよ??」
「ん…あとちょっと」
ギューーー
って、
このときほど、幸せを感じたことがあるだろうか。
このときほど、幸せを感じることがこれからあるのだろうか。
この一瞬一瞬全てが愛しかった。
あたしの顔に当たる、君の髪も。
耳にかかる、その吐息も。
全てが輝いていて…なにより暖かかった。
「今日一緒に帰らない??」
耳元で呟く君。
キュンってなる。
「うん」
「ごめーん、待った??」
校門にいる君に駆け寄った。
「ううん、今来たとこ」
_嘘。今日は委員会で帰りはバラバラ。
あたしは、委員会に入ってるけど、君は入っていないはず。
きっと、たくさん待ったよね?
それなのに、優しいなぁ君は。
そんなとこが、好きなんだけどね??ー
「ほら、行くよ」
もうすでに、君は歩き始めていた。
「待ってよー」
君の背中をおった
いつまでも
いつまでも、このときが続けばいいと本気で思った。
