
君模様
第3章 君初
あたしは、言った。
「はじめてぢゃないの」
その一言に君は理解できていないようだった。
でも…時間がたつにすれ状況が読めてきたのか
目を見開いた。
「…どーゆこと!?」
「昔に…ちょっと…」
うまく話せないあたし。
中学で経験済みだなんて…淫乱って思われてもしょーがない。
嫌われたってしょーがない。
でもっ…
「嫌わないで…」
あたしの頬に一筋の涙。
今まで、こんなに人を思ったことはなかった。
(あたしが、こんなに好きだなんて…)
と…あたしの頬に手が…
「…泣くなよ」
「俺が嫌うわけないだろ…」
涙をぬぐう君。
ギュッ
「ルナの過去になにがあったか、俺は知らない…でも、俺はルナを嫌ったりしない。俺はルナと未来を作りたいんだ…嫌ったりしないよ…」
(ぅん…)
涙が止まらなかった。
優しさが痛かった。
