
君模様
第4章 君過去
その日も朝帰りで。
昨日の相手は最悪だった。
(へたっくそな、オナニーの延長しやがって)
なんて、思ってた。
家の前につくと、人影。
気づいたときにはもう遅くて…
「ルナ…」
壮太だった。
「ルナ…朝帰り…なの??」
(なんで、あんたがここにいんの)
「…なによ、あんたに関係ある??」
気にしないように、歩いて家に入ろうとする。
と…涙腺が…
顔をうつむかせた。
「ぉいっ」
お願い…呼び止めないで…
あたしは、こんなに汚れてしまった。
お願い…あたしは君に甘えてしまう
こんなあたしぢゃ、もう君とは歩けない。
「ぉいっ」
パシッ
腕を捕まれた。
「やめてよっ」
顔を見せないよう、背を向けたまま。
グイッ
と、強く引っ張られた。
「……っ」
「…なに…泣いてんだよ」
あたしの頬には、雫が…
「泣いて…ないよっ」
「…泣くほど傷ついてんなら…自分を傷つけんなよ」
「…泣くほど悲しいなら…我慢すんなよ」
「…自分を殺すなよっ」
「ぅぅっ…」
泣き崩れた。
立っていられなかった。
「…ゃめてょ…ゃめてよぉっ…これ以上優しくしないでぇ…あたしは…ヒック…最低な女だから…もぅ…」
「やだよ、俺はお前が好きなの。」
「俺って一途ぢゃん??ww」
そんな風に笑わないでよ。
好きって言いそうになるぢゃん。
あんなことしてて、頭に思い浮かぶのはいつも君で…
もしかしたら、壮太がいってたことは本当なんぢゃないかって…
だったら、もう一度って…
ずっと思ってたのはあたしで…
(なんで、こんなに好きなの??)
今まで感じたことのない感情と、渦巻く環境のなかで
あたしは、翻弄されてるだけだったのかな。
