いつくしむ腕
第3章 こころの修正液
青いカバーに包まれた、四角いそれを見つめる。
手に取る。
画面を明るくする。
連絡手段の主なるものであろうアプリケーションを開く。
そこに、それはあった。
長い文章が書き連ねてあった。
いくつも、いくつも。
一目で、優太に好意を寄せているとわかるその文章に
わたしは少なからず狼狽した。
言葉少なではあるが、優太も律儀に返事を返していた。
遡れば遡るほど、わたしの心は音をたてて崩れた。
「優太くんに会いたい」
その一言で、完璧に折れた。
日にちを見ると、それはわたしたちがもう出逢っているとき。
目を疑ったのは優太のある日の文章だ。
「新しい女できたけど、気にならないならどうぞ」
ーー新しい、女。
そんな言い方は優太に似つかわしくないと思った。
信じたくなかった。
彼女、とせめて書いてほしかった。
いやそもそも、気にならないなら何なんだ?
たとえこの女が気にしなくても、わたしは?
わたしは気にしないとでも?
目の前が真っ暗になった。
しばらく呆然としていたが、バスルームの扉が開く音が
わたしを現実へと引き戻した。
アプリケーションを閉じ、携帯の画面を切る。
優太が出てきたとき、わたしは笑顔でいられるだろうか。
手に取る。
画面を明るくする。
連絡手段の主なるものであろうアプリケーションを開く。
そこに、それはあった。
長い文章が書き連ねてあった。
いくつも、いくつも。
一目で、優太に好意を寄せているとわかるその文章に
わたしは少なからず狼狽した。
言葉少なではあるが、優太も律儀に返事を返していた。
遡れば遡るほど、わたしの心は音をたてて崩れた。
「優太くんに会いたい」
その一言で、完璧に折れた。
日にちを見ると、それはわたしたちがもう出逢っているとき。
目を疑ったのは優太のある日の文章だ。
「新しい女できたけど、気にならないならどうぞ」
ーー新しい、女。
そんな言い方は優太に似つかわしくないと思った。
信じたくなかった。
彼女、とせめて書いてほしかった。
いやそもそも、気にならないなら何なんだ?
たとえこの女が気にしなくても、わたしは?
わたしは気にしないとでも?
目の前が真っ暗になった。
しばらく呆然としていたが、バスルームの扉が開く音が
わたしを現実へと引き戻した。
アプリケーションを閉じ、携帯の画面を切る。
優太が出てきたとき、わたしは笑顔でいられるだろうか。