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花の謌

第1章 No.1

あの日から、どれ程経ったのだろう。
時間がわからなくなるほど、ぼくは彼女に夢中だ。
あんなに小さかった彼女は、今ではすっかり人間のように成長した。
柔らかな肌。色素の薄い豊かな髪。美しい青い瞳。
鮮明になったその魅力に、ぼくは更に心奪われた。
…心だけでなく、「身体」も。
「最近のあなたは、美味しくないわ」
さも残念そうに、彼女は吐き捨てる。
彼女はぼくの精気をその身に取り込み続け、大きくなった。
代償として、ぼくは自由を奪われた。痩せ細る身体、もう立ち上がることもできない。
でも、かまわない。
「さあ、今日もあたしにたくさん愛をちょうだい」
彼女が傍にいてくれるのだから。

所有物になったのは、ぼくのほうだった。
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