どう見ても猫。
第2章 見知らぬ男。
結局その日俺は、ずっとその黒猫と過ごした。
不思議な事に、猫に対する恐怖心も懐いてくるそいつのおかげでほぼなくなり、ついには同じ寝室へ入れてクッションをひとつ分けてやるほどに、俺はそいつを可愛がった。
俺が床に置いてやったクッションに黒猫は丸くなって、ベッドの上から背を撫でてやれば気持ちやそうに眠りにつく。
その姿に再び頬が緩む。
俺、猫は好きじゃなかったはずなのになぁ…。
何故かこいつは、すごく可愛い。
ベッドの横で丸まって眠るその黒猫を見ながら俺も眠りについた。