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アクマにアソコを貸しました

第10章 イカ?いいえ、津島です

「こいつを取ったんだから、桐原はもう無害なただのヤリチンなはずだ。…しかしまぁ、随分大きく育ったなぁ。キサマ程の大きさの蟲は初めて見た」
京紫は言うが早いかビシッと音がする程狂暴なデコピンを蟲に食らわせた。
「………」
「おい、何とか言え。誉めてやっているんだ。その目ん玉引っこ抜くぞ」

ただヤリチンは無害と言えるのか、そして蟲だか(虫とは違うの?)蜥蜴?だかは喋れないんじゃないか、とかどっちからツッコむべきか迷っていると

「あィダだだだだ!」

悲鳴をあげたのは蟲だった。喋れたのかよ、チックショウ!なんか騙された気分…

見れば蟲の短小なしっぽを裂こうとしているところだった。裂けるチーズみたいなにしっぽしようとしているのか。
さっき目ん玉引っこ抜くとか言ってたのに、しっぽへのフェイント攻撃。そこは攻撃対象は目じゃないの?


「いだだ、裂ける裂ケル!イヤ、裂ケねぇカラ!やめてくレ!」


頭を下にぶら下げられてぷらぷらビチビチともがく蟲に京紫は無表情に言い放った。
「おい。」


それだけ言って無言のままの京紫が周りの空気を重くする。何か言えよ!
ゆっくり開いた薄い唇が発する言葉を逃すまいと一同が唇の動きを注視していた。


「キサマの片言まじりの話し方が気にくわん」



「「エぇーーーーー!」」見事に蟲とハモった。言う事それぇ!?!

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