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アクマにアソコを貸しました

第10章 イカ?いいえ、津島です

「あのさ、逃がしてあげれば…?」「そォよ、逃がシてあげナよ…っテ痛てテテ!」

再びしっぽを裂かれそうになっている。すぐ調子にのるのはヤリチ…桐原さんに似ちゃったんだろうか。


「あのね梓穏、こいつは元々大きめのトンボそっくりの大きさと姿かたちだったんだ。魔界の蟲はただ上位魔族のエサとして生まれ、故に年単位で生きる前に捕食される。そして、こちらの虫同様喋る事もあり得ない」


蜥蜴か虫かわからない生物の生態なんぞ、さして知りたくはない。…が、その説明だとおかしくないか?目の前のキモい生物とは似ても似つかない生態のようですが?


クスクス笑いながら首を曲げて私の顔を覗き込む真赭に「梓穏、首曲がりすぎ。そんなに曲げたら折れちゃうよ?」と言われて初めて首を傾げていたと気づいた。だって理解不能なんだもん。

「ね、不思議だろ。
だからねぇこいつ食ってるよ、人間」


食……うそぉ!?

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