
アクマにアソコを貸しました
第10章 イカ?いいえ、津島です
「あ、梓穏決める?コイツが人を喰らうと知っててコイツを逃がすか、処分するか♪」
エグい質問を口にしつついかにも楽しそうに顔を近づけてきたと思ったら、スウッと真顔になった。
「――決められる?」
人か蟲、どちらかを選べばもう一方に…死…だよね?そんな気の滅入る選択肢を任されても!涙ぐみそうなんですけど。
「おい、止せ。からかい過ぎだぞ真赭」
「だね。…ごめんね梓穏。こいつの事は魔界と同じような空間に連れて行くよ。これ以上人間の害にはならないし、俺たちが殺したりもしない。
ね、これでいいでしょ?」
ホッとして頷きながら、瞼がくっつきそうになる。
どうしてこんなに眠いのだろう。眠気で腕の力が抜け、彼の体にしがみついていた手がバタリと落ちた。真赭がしっかりと抱き抱えてくれていたので、落下する事はなかったけれども。
◇◇◇◇◇◇
「あ、寝た。倒れた、かな?どっちだろうねぇ」
意識を完全に失い、ぐにゃぐにゃになった梓穏の体をよいしょと抱え直した真赭。
「そりゃ、こン中魔界と同じ空気だからな。気も失うだろ。
――おい、キサマも久しぶりのこの空気が嬉しかろう」
異形の蜥蜴のしっぽを摘まんで目の前の高さにぶら下げた京紫。とりあえず、ただの蜥蜴です感を出し、コトバワカリマセン的反応をした蟲はすぐに後悔する羽目になる。そんな誤魔化しで欺ける奴らではなかった事を知った時には時遅く、蟲専用に魔界の空間を切り取った異空間で食糧として無数の時を飼われる事となったのであった。
エグい質問を口にしつついかにも楽しそうに顔を近づけてきたと思ったら、スウッと真顔になった。
「――決められる?」
人か蟲、どちらかを選べばもう一方に…死…だよね?そんな気の滅入る選択肢を任されても!涙ぐみそうなんですけど。
「おい、止せ。からかい過ぎだぞ真赭」
「だね。…ごめんね梓穏。こいつの事は魔界と同じような空間に連れて行くよ。これ以上人間の害にはならないし、俺たちが殺したりもしない。
ね、これでいいでしょ?」
ホッとして頷きながら、瞼がくっつきそうになる。
どうしてこんなに眠いのだろう。眠気で腕の力が抜け、彼の体にしがみついていた手がバタリと落ちた。真赭がしっかりと抱き抱えてくれていたので、落下する事はなかったけれども。
◇◇◇◇◇◇
「あ、寝た。倒れた、かな?どっちだろうねぇ」
意識を完全に失い、ぐにゃぐにゃになった梓穏の体をよいしょと抱え直した真赭。
「そりゃ、こン中魔界と同じ空気だからな。気も失うだろ。
――おい、キサマも久しぶりのこの空気が嬉しかろう」
異形の蜥蜴のしっぽを摘まんで目の前の高さにぶら下げた京紫。とりあえず、ただの蜥蜴です感を出し、コトバワカリマセン的反応をした蟲はすぐに後悔する羽目になる。そんな誤魔化しで欺ける奴らではなかった事を知った時には時遅く、蟲専用に魔界の空間を切り取った異空間で食糧として無数の時を飼われる事となったのであった。
