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アクマにアソコを貸しました

第6章 ロスタイム上等じゃないですか

重厚な高級椅子に座ってブラックコーヒーを飲むケィシ。背の高い、丸い座面のスツール(いつの間に、どこから持ってきたんだ)に座ってブラックコーヒーを飲むマソォ。

簡単な朝食を食べつつ、イケメン+スーツの双子に見惚れてしまう。

ん?
「ていうか、マソォどこ行くの?」

「仕事だよ。今日から昼間も一緒だね」


えっ!?そうなの?

はぁー、とも、へぇー、ともつかない声を出して二人を見ていると、スッと近づいて来たマソォが私の顔を覗きこんだ。

「梓穏、動かないで。
――口元にケチャップ」

クスリと笑って親指で私の口の端を拭ってくれた。

「あ、りがと」

まるで少女マンガみたいで、顔が赤くなる。

マソォはジッとケチャップの付いた自分の親指を見詰め、パクンと口に含んだ。

「………んー…」

眉を寄せて苦笑いした。

「やっぱり人間の食べ物は合わないな………の方が…」


何だろう、最後に何て言ったか聞こえなかった。


――昨日ノ女ノ生気ノ方ガ美味カッタ


聞こえなくて幸いだったと知るのは、もっと後の事。

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