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替え玉高校生

第4章 3日目

健司が居なくなったのを確認し、俺は病室に入る。



まぁ、来ちまったし?



兄貴に挨拶くらい
してから帰らないとな。



俺が病室に入ると、「おぅ!悠也」と手を上げ、いつもの笑顔を見せる兄貴。




「元気そうじゃん」





兄貴の体や頭にあった包帯はすべて取れ、傷も目立たなくなっていた。




「あぁ、今すぐにでも退院出来るぜ」



「調子に乗ってんなよ」



「だってよ、誰も見舞いに来ねぇし、やることも無くてヒマなんだよ」



「さっき、健司が見舞いに来てただろ」



「あぁ、来てたな
って言うか、健司が見舞いに来てた事知ってんだな
何で入って来なかったんだ?」



ヤベ!



つい口が滑った・・・・・




「ちょうど、健司が病室から出て行くのが見えたから、見舞いに来たのかなってさ」



俺の嘘に兄貴は「ふーん」と返事をした。




「そう言えば、健司に俺の代わりに学校行った事、初日にバレたらしいな」楽しそうに笑う兄貴。




「アイツは感が鋭いから、バレるとは思っていたけど、まさか初日にバレるとは思っていなかったな」そう言って、兄貴は両手を頭の後ろで組んだ。



「感が鋭いから、バレたんじゃねぇと思うけど」



「ん?」



健司はいつも、兄貴を見ていた・・・・・



だから、ほんの少しの仕草とかで『咲也』じゃねぇって分かったんだ・・・・・・・



「どうした?悠也」



何も答えない俺の顔を覗き込む兄貴。



「健司は、兄貴が好きなだよ」



「まぁ、友達だし?
俺も、健司の事は好きだぜ?」



「そう言う意味で言ってんじゃねぇよ!アイツは兄貴を・・・・」



苛立ち、思わず兄貴を怒鳴ってしまった。



「アイツは、俺を?」




「何でもねぇよ・・・・」



ダメだ・・・・・



此処に居たら、兄貴に掴みかかりそうになる・・・・・



「俺、帰る」



俺は足早に、病室を出た。





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