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SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ

第11章 悲しみに捧ぐリコリスの花束を


相変わらず仲が悪いフィリアとゼロスに、リナはくすくす笑っていた。

「とにかく、結局フィリアたちの骨董屋の前は通るし、いいでしょ?」
「わかりました。ただし今日は・・・」
「・・・なによ、その顔・・・なに企んでんのよぉ」

リナはあからさまに怪しく笑うゼロスに、少々怯え、身を引いた。
あれから、様々な出会いと別れを繰り返すリナたちの旅は順調に続いていた。
アメリアには泣きつかれ、ゼルガディスには呆れた様に溜息をつかれたが、最後には見送ってくれた。
みんな、優しくて温かい仲間たち。

でも、後悔はしていない。
むしろ、期待感でいっぱいなリナだった。

「なら、行きましょうか、フィリアさんのいる骨董屋さんに」
「そーね!」


ようやく、幕を開けた二人のこれからの旅。ーーー誰にも、明かさなかったこと。
リナは、ゼロスとあの、ガウリイたちと別れたあと契約を交わした。不死の契約を。
ーーー長い旅は、きっとリナが生きている間には終わらないだろう。人間の一生は短い。
そして、もう、二人は離れる気はないのだ。離れたくない・・・お互い、そんな意志を持って行われた契約だからこそ、契約を証明する石はない。強いて言うならリナの嵌めているリングが、二人の絆を示していた。
そして、同じデザインのリングが、ゼロスの指にも輝いている。

ーーー2人は、世界へと飛び出して行くーー悲しみも、辛さも、苦しさも全て、乗り越えてーーー


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