SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ
第11章 悲しみに捧ぐリコリスの花束を
3.4 果てない夢
リナたちが旅立ってから五年の月日が流れ、かつての仲間たちの関係は変わりつつあった。
アメリアはゼルガディスと恋仲に、そして結婚を控えるのみとなった。
シルフィールとガウリイも結婚し、セイルーンへと身を落ち着かせている。
そんな、ガウリイとシルフィールの元に、白い鳩が何かを届けた。
ーーーそれは、メモリーオーブだった。珍しい贈り物に、受け取ったシルフィールは首を傾げながら、それをガウリイへと届ける。
「ガウリイ様、これ・・・」
「こら、リーネ、ダメだぞ。危ないだろ」
「やぁだ!ぱぱ、あそんでくれないんだもん。つまんない!
あ、まま!なあに、それ!」
「お、メモリーオーブか。内容はわかってる。貸してくれ」
黒髪に碧眼の可愛らしい女の子は、父から離れ、母の元へと駆け寄った。
あの、五年前。
紅茶色の髪の少女と、闇色の青年と別れた2人は、すぐに式を挙げた。
そして、一年後に生まれたのがリーネ。ただいまお転婆ざかりの4歳の女の子だ。
我が子を抱き寄せながら、シルフィールはガウリイにそのメモリーオーブをまだ不思議そうに渡す。
ガウリイはいたずら中の子供のような表情で、メモリーオーブを光にかざし、自分が着いていたテーブルの上に置いた。
そこに映し出されたのはーー
『ガウリイ。シルフィール。久しぶりね』
忘れたこともないーー
かつての彼の相棒で、恋人だった【リナ=インバース】だった。
「りっ、リナさん!?」
「ははは、そろそろ寄越すだろうと思ってたんだ。元気そうだな」
メモリーオーブに映されたリナは続ける。
『あたし、今北の外れの小さな村に祀られている水晶を見に来てるのよ。
それにしてもこの村は寒くて寒くておかしくなりそう』
確かに、映像のリナは厚手のコートを羽織り、マフラーに手ぶくろ、耳当てまでしている。背景は白一色で、雪に埋れているのが見て取れた。
『ガウリイたちがいる場所から、結構離れてるから、多分このメモリーオーブが届く頃にはもう、あたしたちは違う場所にいるでしょうね』
と言う少女は、少し寂しそうだった。
今すぐに、声が届けば。
それは叶わないことだった。
『それでも、着実に世界を見て回ってるの。ゼロスも、一緒よ』
『まだ、半分も回ってませんよー』
『ふふ、そうね。きっと世界全部を歩き回ってたら、100年はざらにかかるわ』
リナたちが旅立ってから五年の月日が流れ、かつての仲間たちの関係は変わりつつあった。
アメリアはゼルガディスと恋仲に、そして結婚を控えるのみとなった。
シルフィールとガウリイも結婚し、セイルーンへと身を落ち着かせている。
そんな、ガウリイとシルフィールの元に、白い鳩が何かを届けた。
ーーーそれは、メモリーオーブだった。珍しい贈り物に、受け取ったシルフィールは首を傾げながら、それをガウリイへと届ける。
「ガウリイ様、これ・・・」
「こら、リーネ、ダメだぞ。危ないだろ」
「やぁだ!ぱぱ、あそんでくれないんだもん。つまんない!
あ、まま!なあに、それ!」
「お、メモリーオーブか。内容はわかってる。貸してくれ」
黒髪に碧眼の可愛らしい女の子は、父から離れ、母の元へと駆け寄った。
あの、五年前。
紅茶色の髪の少女と、闇色の青年と別れた2人は、すぐに式を挙げた。
そして、一年後に生まれたのがリーネ。ただいまお転婆ざかりの4歳の女の子だ。
我が子を抱き寄せながら、シルフィールはガウリイにそのメモリーオーブをまだ不思議そうに渡す。
ガウリイはいたずら中の子供のような表情で、メモリーオーブを光にかざし、自分が着いていたテーブルの上に置いた。
そこに映し出されたのはーー
『ガウリイ。シルフィール。久しぶりね』
忘れたこともないーー
かつての彼の相棒で、恋人だった【リナ=インバース】だった。
「りっ、リナさん!?」
「ははは、そろそろ寄越すだろうと思ってたんだ。元気そうだな」
メモリーオーブに映されたリナは続ける。
『あたし、今北の外れの小さな村に祀られている水晶を見に来てるのよ。
それにしてもこの村は寒くて寒くておかしくなりそう』
確かに、映像のリナは厚手のコートを羽織り、マフラーに手ぶくろ、耳当てまでしている。背景は白一色で、雪に埋れているのが見て取れた。
『ガウリイたちがいる場所から、結構離れてるから、多分このメモリーオーブが届く頃にはもう、あたしたちは違う場所にいるでしょうね』
と言う少女は、少し寂しそうだった。
今すぐに、声が届けば。
それは叶わないことだった。
『それでも、着実に世界を見て回ってるの。ゼロスも、一緒よ』
『まだ、半分も回ってませんよー』
『ふふ、そうね。きっと世界全部を歩き回ってたら、100年はざらにかかるわ』