SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ
第15章 宴-EN-
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月夜が照らす、教会の屋根にて。先ほどまで少女と絡んでいた高位魔族はふわふわと浮かびながら小さくほくそ笑んだ。
(リナさんの血はとても甘美な味でした・・・まあ、あくまでも血は『おまけ』ですが)
リナの首筋に噛り付いたのには理由がある。ゼロスの手にあるのは、古い書物。偶然、露店で見かけて購入したものだった。ーー血の契約。吸血鬼は、首筋から血を吸い、仲間を増やしてきた。それの応用編。自分は魔族。先ほどリナの首筋に傷をつけた際、そこから魔術を施したのだった。
目を見つめての暗示はよくあるが、リスクも高い。まず、相手が自分を見つめなければいけない。怪しい、と勘付かれてはいけない。視線を逸らされてしまえば意味がない。
もし、相手の体の自由を奪い、目を逸らせないようにしたとしても、暗示だと気付かれてしまうと、意志が強い相手ならば簡単に解けてしまうだろう。リナなら、なおさら。
(少しづつ、血を啜り。リナさんの体内に流れる血液そのものにじわじわと魔術を施す。そしてーー)
最期には自分に忠実に従う傀儡人形に墜とす。
(何日目で堕ちるんでしょうねぇ・・・?今から楽しみですよ、リナさん)
どす黒く淀んだ彼の執着心と独占欲に、すでに卍絡めにされているとは気づかない哀れな少女。この先どうなってしまうのかーー神にも分かり得ないのですーーーー
「せいぜい、足掻いてくださいね。リナ=インバース」
くすくすくす・・・
闇夜に溶け消えるまで、不気味な笑いは夜空に響いていたーー
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月夜が照らす、教会の屋根にて。先ほどまで少女と絡んでいた高位魔族はふわふわと浮かびながら小さくほくそ笑んだ。
(リナさんの血はとても甘美な味でした・・・まあ、あくまでも血は『おまけ』ですが)
リナの首筋に噛り付いたのには理由がある。ゼロスの手にあるのは、古い書物。偶然、露店で見かけて購入したものだった。ーー血の契約。吸血鬼は、首筋から血を吸い、仲間を増やしてきた。それの応用編。自分は魔族。先ほどリナの首筋に傷をつけた際、そこから魔術を施したのだった。
目を見つめての暗示はよくあるが、リスクも高い。まず、相手が自分を見つめなければいけない。怪しい、と勘付かれてはいけない。視線を逸らされてしまえば意味がない。
もし、相手の体の自由を奪い、目を逸らせないようにしたとしても、暗示だと気付かれてしまうと、意志が強い相手ならば簡単に解けてしまうだろう。リナなら、なおさら。
(少しづつ、血を啜り。リナさんの体内に流れる血液そのものにじわじわと魔術を施す。そしてーー)
最期には自分に忠実に従う傀儡人形に墜とす。
(何日目で堕ちるんでしょうねぇ・・・?今から楽しみですよ、リナさん)
どす黒く淀んだ彼の執着心と独占欲に、すでに卍絡めにされているとは気づかない哀れな少女。この先どうなってしまうのかーー神にも分かり得ないのですーーーー
「せいぜい、足掻いてくださいね。リナ=インバース」
くすくすくす・・・
闇夜に溶け消えるまで、不気味な笑いは夜空に響いていたーー