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SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ

第17章 【いちごミルクとほろ苦コーヒー。】

かつん。
きのーのゼロスのセクハラのせいで、あたしは一睡もできなかった。おかげで食欲が湧かない。つんつんとお皿に盛られたお肉ちゃんをフォークで突っつきながら、あたりを小さく伺った。
・・・あいつ、明日の朝も来るとか言っといて、来ないじゃない。うん、せいせいする。・・・別に、寂しいわけじゃないんだからっ。
もちろん、そんな考えが頭を占めていたあたしの、いつもとは違う様子に仲間たちは【新種のウィルスかなんかが流行しているんじゃないか】とか、【リナを恨んでいる輩が世界最強の呪いをかけているんじゃないか】なんて失礼極まりないセリフを吐いていたのはあたしには全く届いていなかった。
ーーーと、何の前触れもなく背後に現れた良く見知った魔族の気配に、振り返ろうとする。・・・けど、それはそいつの両手によって拒まれた。
「だーれだ♪」
・・・はり倒していい?
だって、あまつさえ高位魔族が、私の両目を塞ぎながらそんなふざけ倒したセリフを宣うのよ?
でも、ここで怒ったりしたらゼロスのお食事に協力する羽目になる。それだけは嫌。
「ヒントその一♪強くて美形のリナさんの恋人です♪」
「・・・黄昏よりも」
「!あ、すいません、じょーだんです・・・」
さっと手を目から離し、あたしから離れるセクハラ魔族。チッ、滅ぼし損ねた・・・
右手に込めていた魔力を霧散させ、またフォークを持つともそもそと食べ始めた。
そんなあたしをうっとうしくも背中に張り付きながら構え、構えと連呼する魔族に苛立ちが募ってくる。

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