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「ん・・・ふ」
朝。群狼の島に位置する獣王ゼラス=メタリオムの館の一室。その魔王に仕える獣神官の仮初めの休息の場ーー今はその神官様が溺愛中の奥さんが生活している部屋だがーに備えられたソファで、少女の甘い、くぐもったような声が小さく響いていた。
その声すら奪い尽くしてしまうようなキスを幾度も繰り返す青年は、すっかり腕の中で大人しくなってしまった少女を満足げに見やり、愛おしそうに頬を撫でた。
自らの膝に横に座らせ、少しでも近くに少女を感じたくて、余裕なく掻き抱く。それに、少し照れたように、でも嬉しそうに少女も擦り寄り、にこっと幸せそうに笑みを浮かべた。そんな、可愛らしい少女に、青年ーーゼロスは心の中でガッツポーズをした。