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入籍をする前のある日、龍平の様子がおかしい。

飲み屋に迎えに行った私に、酔っ払いながら

「話がある」と言った。

「結婚する前に…言う事がある…」

「なに？」

「これを言ったら、結婚したくなくなると思う…」

「…大丈夫。言って？」

少々言いづらそうにして、彼は話し出した。

「俺の両親が離婚してるのは知ってると思うけど…」

「うん」

「俺の父親は…一般人じゃないんだ…」

「うん」

「…ヤクザで…組長やってるんだ」

『！？』

「…それで？」

「親父の方に兄ちゃんがいるし、もう母ちゃんと別れてるから俺が跡を継いだりとかは無いんだけど…」

「うん」

「母ちゃんは、今はまた違うヤクザと付き合ってる…」

「…うん」