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ココアパウダー

第1章 ココアパウダー

彼は同じ学年のサッカー部所属の男の子。

別のクラスだったけど、明るくて面白くてみんなの人気者だってのは知ってた。
頭もいいしサッカーも出来てしかも幼いながらも顔のパーツが整っていて女子の間では王子様と呼ばれていた。

ソフトテニス部の私とは無縁の人だったけど

ある放課後、わたしは読書が趣味で図書室でいま話題の長編魔法学校の小説を読んでいた。いまちょうど3巻目で主人公がライバルの少年とヒロインを掛けた決闘が始まるとても面白い展開になっている。

図書室には数人の学生しかいなく、ページをめくる音だけが図書室に響いていた。

「…あの…」

主人公が守備魔法を掛けて、ライバルが上級魔法を唱える。

夢中になって読んでいて声をかけられてるのに気づかない。



「あ、あのっ!…その本の1巻ってどこにあるの?」

前の席に座っていた男の子が体を机に乗り出してわたしの顔の前に現れた。


それが彼とのはじめての出会い

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