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人間と吸血鬼

第19章 思い出

すると中の奥で声がした。

「佳奈、好きだよ…」

「私も好き…」

「ずっと一緒に…な?」

「ふふっ。そうね。」

雅紀「…‼︎」

俺はその場から逃げるように走った。

家に帰ろうとして路地裏を通ると…

目からは静かに涙が出てきた…

雅紀「ふっ…うぅ…」

俺はあれ以来佳奈から距離をおいた。

もちろん彼女も連絡して来ない…

俺は大学を卒業して大ちゃんが経営するパン屋さんに誘われて働くことになった。

働いている時も佳奈のことを考えていた。

その時は周りをあまり見てなかった。

ある日も下を向いて歩いていたら、

ドンッ…!

人とぶつかり相手は尻もちをついていた。

俺は慌てて手を差し伸べた。

雅紀「大丈夫ですか…?」

その人は男性だったけど…

顔を上げてこっちを見た…

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