「俺は、男だ!クソ野郎」
第5章 鬼ごっこ…?
大悟の様子は、
そんないつもと変わらない。
声も言葉も表情も。
まぁ、俺なんて、昨日の
コイツに対してのストレスが一気に
溜まりすぎて黒い感情が
溢れ出そうなんだけどな。
でも相手が大悟となると、
やっぱり恐ろしくて反抗する勇気がなくなる。
チ、チキンとか言うなよ!←
「あ、そうだ。岬」
いかにも王子様オーラを出す大悟は、
何かを思い出したかのように、
そう言ってきた。
「ん?なんだよ」
俺は、耳を傾ける。
「昨日、言い忘れてたんだけど、またもし、あんな無防備なことしたら、“アレ”より、それ以上のことしてやるからな?」
笑顔でそんなことを言う大悟は、
どれほど怖い人物なのか
想像ができる。
アレって、もしかして、
キスのことだよな?
うわー、しかも
それ以上って……死あるのみ
みたいな感じだな…。
「ははは…」
俺は、大悟の言っている意味が
わからなくなって、
後は、笑って誤魔化した。