「俺は、男だ!クソ野郎」
第6章 何で俺…女装してんの。
そんなことを思いながら
窓の方を見て貧乏揺すりをしていると。
「あ、そだ。」
翼先輩が何か思い出した声を出す。
「急にどうしたんだ?」
気になって、翼先輩の方を振り向き問う。
「姫さ、もしかしてハーフみたいな男見なかった?」
「え…?」
ハーフみたいな…男?
もやもやとある記憶が蘇る。
あぁ、あのむかつく野郎ことか。
「見たぜ。でも何で知ってるんだ?」
「やっぱりそうか。近くにアイツのBMWの車が止まっていたからな」
「BMW!?」
その言葉を聞いて、
俺は目を見開きながら驚く。
BMWとは、これまた高級車だ。
なにそれ、
まじ見たかった~!
俺、こう見えて車好きである。
でもやっぱり、
一番好きなのはフェラーリ←
だって、かっけぇもん。
実は小さい頃から、父さんの趣味で
車のことを色々教えてもらったことがあって、
だから今じゃ、
すぐに見分けがつけるくらいまで発達した。
しかし、あのハーフ野郎…
いや紺野という奴
BMWなんて乗りやがって
金持ちか?
本当、何から何までイライラするな。
「それより姫、何もされてないよね!?」
翼先輩は、慌てたように
バッと俺の肩に手を置く。
「いや、別に何もされてねぇけど…知り合いか?」
ただし、腹立つこと言いやがったけどな。
「なら良かった…。あ、知り合いっていうか…アイツ、俺と同じで生徒会だよ。ちなみに副会長」
「…は?」
俺は、目が点になる。
「姫?」
「あーあー聞こえない」
耳を塞いで
『あーあー』と叫ぶ。