「俺は、男だ!クソ野郎」
第6章 何で俺…女装してんの。
「いらっしゃいませ~」
店内に入ると、
明るい声が飛び交う。
そして、翼先輩同様で
スーツをかっこよく気崩した男の人、
数人がお出迎えしてきた。
うわ、なんなんだ。
しかし、店内は薄暗く、
置いてあるものが全てがゴージャスさを漂わせていく。
「あれ?翼じゃん。遅刻かよ」
一人の男が翼先輩に
話しかける。
「悪い悪い。ちょっとね」
翼先輩は、笑いながら
謝っている。
「ん?あれ、そこの可愛い子ちゃん誰!?紹介してよ」
「もしかして彼女?」
「小動物みたい…」
チラチラこちらを見ながら
次々と翼先輩に質問攻めしてくる男たち。
翼先輩は、それに対して『秘密~』とか
言っていた。
俺は、初めてのことでキョロキョロと
周りを見渡す。
待って、マジ
お客さん全員女しかいないじゃん。
てか、何で俺…
女装しているんだっけ。
あ、そっか。
これも全部
イチゴケーキのために我慢しているんだ。
この時、俺はイチゴケーキに現を抜かしていて
狂気な目でこちらを見ている
黒い影に気づかなかった。