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「俺は、男だ!クソ野郎」

第7章 助けて大悟…








「岬、顔真っ赤。照れてるの?」



「お、俺は怒ってるんだぁー!」




淳兄の捉え方がおかしすぎる。



なぜ俺が照れないといけない。

むしろ、嫌なんだ。


わかってくれ、俺の気持ち。





さっきの幸せな気分が台無しになった。

返してほしいぜ。




はぁ…。



男に舐められるとか

なんとも言えない屈辱だ。




「ははっ、俺が悪かったよ。ごめんな。次からはちゃんと許可とるから」


「いやそういう問題じゃない」




たくっ。

淳兄は、全く理解していないみたいだ。




俺は、呆れて

また深いため息を吐いた。




「岬は、ファーストキスもまだだもんな。相変わらず、純情というか無知というか」



「……」



俺は、淳兄の一言にピタリと返す言葉を失う。




ファーストキス………うわあああ。



今ので嫌な記憶を思い出しちまった。



あのクソ会長にファーストキスを奪われ

その後、大悟に濃厚な……うわあああ。



多分、みるみる顔が熱くなっていく。



せっかく忘れていたのに、

なぜ、このタイミングで思い出させるんだよ。



あー!と、そのことで頭がいっぱいで

もう真っ白になりそうだった。








「岬?あれ、反応なし…

それに顔が赤くなってる。


















…おい、誰とキスした?」




淳兄の顔がだんだんとまた怖くなっていき、

声がさっきよりもずっと低くなった。





その表情から『早く言え』と

促してるように見える。







「い、いや…キスは残念ながら一度も…」



声は小さくなりどもってしまったが答えた。


嘘をついたけど、


だって、キスの相手が“男”だって言えねぇじゃん!!




口がさけても言いたくねぇ。



墓まで持っていくつもりだ。

自分の中でとどめておくんだ。




いや、あれは、

いっそうなかったことにしよう。


そうだノーカウント!











「ふーん。じゃあどうして俺が近寄るごとに、 岬は遠ざけて行くのかな?言うのが本当なら、普通は逃げないよね?」




それはその通り。


自分でも気づかないうちに

少しずつ淳兄から離れていた。














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