「俺は、男だ!クソ野郎」
第7章 助けて大悟…
俺は、冷静にそう思った。
考えなくてもわかることだ。
淳兄は、人を殺そうとしている。いや、本気で。
ここで軽々しく言ってみろ。
殺人者になりかねない。
そして、動機とかなんちゃらで
きっと俺のせいにするはず。
うん。
淳兄は、そういう人間だ。←
徐々に淳兄が恐ろしくなってきて
俺の感覚が鈍くなっている。
「い、いや…別にそんなことどうでもいいだろ…」
やっとの思いで声を絞り出す。
そして、
ふい、と視界に入らないように背けた。
直視はキツい…。
目力だけで殺せそうだ。
お願いだから、一切
このことには触れないでほしい。
俺にとってはある意味、
傷口を抉る行為に属するぞ。
「どうでも良くないよ」
しかし、この閻魔は、
さも当然かのように言い張った。
「いや、どうでもいい」
これだけは断言できる。
俺は、ため息を吐きながら負けじと
はっきり言った。
「岬にとっちゃ、それはどうでもいいことだろうけど、俺にとったら重要なことだ。せっかく理性を抑えながら地道に計画を立てていたのに…こうも簡単に崩されるとはね」
淳兄は、そう言ってから
『納得もいかないし、思ってもみなかったよ』
と口を溢して、眉を八の字にさせながら苦笑していた。
つか、えっ?
重要…?計画…?
一体、今
俺に何を伝えたいのか伝わってこない。