「俺は、男だ!クソ野郎」
第7章 助けて大悟…
「あ、岬ってキャンディ食べれる?」
突然、顔を覗いて
俺にそう聞いてきた。
おかげでハグから脱出した。
「う、うん!大好きだぞ」
俺は、コクンと頷きながら
なんで?と聞き返す。
甘いものは、ほとんど大好物である。
「じゃあ、これあげる」
ふふふっと怪しい笑みを溢しながら
俺の手のひらに置いて渡した。
「え、あ、ありがとう…」
見てみると
可愛い水玉模様の包み紙に入った
少し大きめのキャンディだった。
「何で急にこれを俺に…?」
「あー泣かせちゃったからね」
「っは!な、泣いてないし!」
顔を背けて
何を言ってだと誤魔化す。
だけど、なぜか知らないが
淳兄は笑って俺の頭をよしよしと撫でている。
「ほ、本当に泣いてないのに…」
俺は、ボソボソ言いながら
包み紙から出して
キャンディを口の中に入れた。
その瞬間、
淳兄の口角があがったことに俺は気づかなかった。