「俺は、男だ!クソ野郎」
第8章 ドキドキが止まらない。
あぁ、やだやだ。
鳥肌が立ってしまったじゃねーか。
「言っとくけど、勝手に寝ちゃう岬が悪いんだよ」
大悟は、いかにも自分が正論だ
みたいな口調だった。
…ん?そういや、なんで、
俺、すぐ寝たんだっけ。
昨日の記憶が少しうろ覚え状態にある。
まだ起きたばっかりっていうのもあるが
頭が回らない。
うーんと、考えていると、
あっ。
お、思い出した…。
いや、思い出してしまった。
一番、肝心なことを忘れていたかもしれない。
思い出したくもなかったが
重要なことだ。
「な、なぁ…だ、大悟…」
俺は、ぎゅっと布団を掴み
顔を俯けた。
「どうした?急にあらたまって」
俺の様子が変わったのを不思議に思ったのか
大悟は、ベッドの横に座って耳を傾けてくる。
きゅ、急にだけど
相談してもいいのかな…。
「お、俺さ…病気なのかな?」
そう告げた途端、すぐさま
はっ?と拍子抜けする大悟。
「だ、だって、大悟も昨日見ただろ!?お、俺の…その、あそこから…白い液体みたいのが…出たの…」
確かに大悟は、見てたはずだ。
普通は、
おかしいと思うだろ?
こんなの初めてだ。
はぁ…っ俺、きっと病気だ。
ぐすっと、自然に涙が出てきた。
すると、大悟が俺の頭を撫で始める。
んだよ…
励ましのつもりなのか?
もっと辛くなるわ…。
「ほんと、岬って…」
大悟は、口を押さえながら
クスッと笑う。
っ!?
「な、なんで笑うんだよ!こっちは、真剣なんだぞ!?」
「ごめんごめん。岬、それは病気じゃないよ」
「えっ」
間抜けな声が出た。