「俺は、男だ!クソ野郎」
第10章 …こんなの俺らしくない
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…………。
「……きっ!」
「…さき、」
「コラ、岬!起きなさい!!」
雀のさえずりとはまた違って、
俺を呼ぶ母さんの怒鳴り声が聞こえてきた。
う~まだ…眠い。
せっかくの休日なんだ。
もう少し寝かせてと、思いながらもまた夢の世界へ。
「あら起きないのね~。あーせっかく岬のためにイチゴ…「何!?起きてるけど!!」
イチゴという単語が出た瞬間、すぐに体を起こした。
「さっさと着替えて顔洗ってきなさい」
「えっ、ちょ、イチゴは…?」
「嘘よ。そうでもしないと起きないんだから」
「え~…!!なんだよ、嘘かよ。期待して損した気分。それにまだ8時なのに急に起こしやがって…」
目覚まし時計は、
まだ早い朝8時を指していた。
俺が休日にいつも起きる時間は10時過ぎだ。
休みの日にこんな早く起こされるなんて
こっちからしたら堪ったもんじゃない。
気分は最悪だけど、まあいいや。
二度寝しよ…。
「二度寝したら、明日からご飯はピーマンだから」
「は、はぁ!?に、にに二度寝なんてしようとか思ってねぇよ!お願いピーマンはマジ勘弁」
俺は、ベッドから床に足をつけ、
立ち上がった。
苦手な食べ物ピーマン。
名前はさ、やけにカッコいいのに味がもう…うん。
嫌いな人にはわかるよね、俺の気持ち。
母さんは、時々そうやって俺を脅してくる。
なんて親だ。
「じゃあ、早く着替えて顔洗ってきなさい。お客さんが来るからピシッとね」
「え?客…?」