「俺は、男だ!クソ野郎」
第10章 …こんなの俺らしくない
そして、お遊戯会当日。
すでに会場入りしている。
「淳~こっちこっち」
と、はしゃぎながら
イスに座りなさいと母さんは俺に合図。
「母さん、声でかいって」
周りが母さんの声に反応して
こっち見てたし恥ずかしい。
そんな俺の気も知らずに
呑気に笑っていた。
「ごめんね~。それより、トイレはちゃんと済ませた?」
「うん。今済ませてきた」
そう返事を返して、
俺はイスに腰を下ろした。
「あ、そうだ。淳に紹介するわね。こちら杉本さん」
「初めまして。淳ちゃん、大きくなったわね~。男前になっちゃって」
「あ、ありがとうございます」
この綺麗な人が杉本さんか。
なんか、一度
記憶がない赤ん坊の時に会ったとかなんとか。
「わざわざ遠いところから悪いわね、来てもらっちゃって」
「いえ、大丈夫です。楽しみにしてたんで」
ま、本当は母さんに
半ば無理やりだけどね。
『ーーーこれより、青羽幼稚園のお遊戯会を始めます』
それから何分か経って
プログラムの一番最初のあいさつが始まった。