「俺は、男だ!クソ野郎」
第3章 マジ、席替えしたい…
【1-A】と書かれた教室の前にいる。
ここか…。俺たちのクラス。
入ろうと思って、ドアに手を伸ばすと
大悟に阻止された。
「なにすんだよ」
「入ったら頭下げとけ」
「はぁっ!?」
また急に何を言い出すの、コイツ。
「とにかく、絶対だ。お前さ俺にいくら借りがあると思うかわかってんの?」
「うっ…」
無理矢理でも
断れないように言ってくる。
ある意味、脅しだぞ、おい。
で、でもまぁ
頭を下げて、借りが返せるならそれでいいか…。
「わかったか?」
「べつにいいけど、ちなみに頭下げたら俺、前に進めねぇじゃん…」
「じゃあ、ここでも掴んでおけ」
指差したところは、
大悟のシャツの後ろの袖の方だった。
「あぁ。わかった」
これなら、
なんとか前に進めるな。
俺は、頭を下げて小さく袖を掴んだ。