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「俺は、男だ!クソ野郎」

第10章 …こんなの俺らしくない









『ここに、一頭のライオンくんがいました』


ライオンのたてがみを被った一人の園児が登場した。



話の内容では、

自分勝手にジャングルを独占しているライオンらしい。




「あら、大悟くんだわ」


杉本さんがライオン役の子供の名前を言った。



うちの母さんが『大悟くんって?』と問いかける。




「大悟は、岬の幼なじみなの」



「あらそうなの!」




と、他愛もない会話をしていた。






『ある日、狼の家族が知らずにその森に入り込んでしまいました』






すると、5人の狼らしき園児が出てきた。


耳と尻尾を付けている。




5人のうちの2人は親で

あと3人は子供みたいだ。




そこで俺は

ふと、端を見る。


ん…?








うそ。

俺は言葉を失った。




衝撃が走った。










絶対、端にいる一匹の狼、

狼じゃなくて子猫だろ。





なにあれ、めっちゃ可愛い。

超可愛い。




他の園児に比べると

とても小さい。







相手が園児なのにも関わらず、

心が乱された。









「あ、岬が出てきたわ」


「どれどれ?」


「端にいる小さい子よ」



「まあ、可愛い!!」





あの子猫みたいな子が岬ちゃんらしい。



うそ…あの可愛い子が俺と親戚?




嬉しすぎて口元が緩んできた。














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