「俺は、男だ!クソ野郎」
第10章 …こんなの俺らしくない
それを見て安心したのかわからないけど
震えがいつの間にか治まっていた。
こ、怖くない…?
「……」
俺はよくわけかわからなくなって
無言で淳兄をずっと見た。
「岬。そのまま聞いてほしい」
淳兄は、
真剣な顔つきになった。
俺はコクりと頷く。
「あの時のことは、ごめん。謝って済む話じゃないが本当に悪かったと思っている」
深々と頭を下げられた。
「じゅ、淳兄…?」
こうやって、
まさか謝ってくるなんて考えもしなかった。
「岬の気持ちも考えないで本当悪いことした。嫌われて当然だ」
「…」
どう反応したらいいかわからない。
けど、淳兄がしたことは簡単に許せない。
「だけど、俺は…初めて会った時から岬のことが
好きなんだ」
「え?」