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ひまわりのキミ。

第1章 ひまわりのキミ。1

「私、ないよ…」

「なに、夏子傘忘れたの?」


突然、上から声が降ってきて、心臓が跳び跳ねた。

この声はきっと…。


「てっちゃん…」

「今日、降水確率90%だとよ。どうすんの」


てっちゃんは、スマホを見せてきた。

90%かぁ…。

今日の朝は、そんなこと感じなかったのにな…。


「借りてくよ」


職員室で傘を借りよう。

本当は、誰のか分からなくてボロボロの傘なんて使いたくないんだけど…。

忘れた自分が悪いし、濡れてしまうよりはマシだ。

私がそう考えていると、てっちゃんが予想もしてなかったことを言った。


「夏子、俺傘あるから入れてこうか?」

「えっ…!?」

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