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ひまわりのキミ。

第1章 ひまわりのキミ。1

「……テスト止めっ!」


先生の声を合図に、ペンを降ろした。

我ながら、きっと良い点数とったと思う。

所々でてっちゃんの声が頭の中で響いて、頑張って解いた。

…お礼言わないと。

私は、使ったものを全部鞄に入れる。

その時、少しだけ視界に外の景色が映り、手を止めた。


「雨……まだ降ってる」


ザアザアという擬音がふさわしい程に降り続ける雨。

制服とか濡れそうだなあ…。

そう思いながら、しばらく窓の外を見ていた。

そしたら、先生に「早く帰れよ」と言われ、我に返った。

そういえば私、てっちゃん待たせてるんだった…!!

急がないと…!!

私は荷物を片付け、教室から飛び出した。

途中、すれ違った先生に


「日向ー!廊下は走るな!」


と、言われてしまうほど走っていたらしい。


「…す、すいません」


自分でも分からないくらいに走った。

きっとそれほど。


てっちゃんに会いたかったんだ。

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