
甘く染めて
第10章 №9
「莉緒…」
翔太の大きな手が私の頭をなでる。
「ぅ、あああっ、ごめんなさいっ、ごめぇん…ごめん…私がっ、悪かったぁのぉ…っ」
周りの視線がいたい。
いたいけど、全然とまんないよ。
翔太に撫でられてるからかな。
翔太のぬくもりに甘えてしまってるからかな。
私に罰があたったからかな。
私が、悪い。
「こっちおいで」
翔太は私の腕を掴んで、無理やり教室から私を連れ出した。
ぶわっと涙が湧き出た。
翔太、ごめんね。
「落ち着いた?」
翔太が連れてきてくれたのは、裏庭だった。
裏庭…思い出したくない。
昨日の春夜先生とシたときのことが頭の中で再生される。
「ん…ごめんね。私のせいで…翔太、嫌だったよね、ごめん」
「そんな誤んなくてもいいよ」
