
甘く染めて
第10章 №9
翔太の顔が段々近づいてきて、私の頬にキスを落とした。
「泣かなくてもいいよ、大丈夫だよ」
翔太のこの言葉に、小さい頃から支えられてきた。
その言葉でまた泣いてしまった。
「んっ… ごめん、ごめ…っ」
何で翔太にこんなに誤ってるんだろ…
「んっ…」
唇と唇が重なり合った。
こんなこと、したらだめだよ。
こんなことしてたら、だめなんだよ。
頭の中で言い聞かせるけど、とまらなかった。
「おいで」
唇が離れ、翔太が私にそっと手を伸ばした。
翔太の手をぎゅっと握って私は翔太に抱きついた。
ぎゅっと抱きしめ返してくれて、また、涙が溢れた。
翔太の胸の中ってこんなに安心するんだ。
あったかい…
