
甘く染めて
第10章 №9
翔太を見ると、目が合った。
ずっとこっち見てた?
「莉緒、好きだよ」
小さな声でボソッと呟いた翔太の顔は赤くって、
「翔太、可愛いね」
フフッと笑うと、あごをくいっと持ち上げられ、
キスーーーーーー
「んおあ!!!」
「いだっ」
くるんっと横を振り返ると同時に、私の髪の毛が翔太にばちんっとあたった。
目の先には、目を丸くしている春夜先生がいた。
「へーー、山田って他の奴ともこんなことシてんのか。柄じゃねぇな」
ニヤニヤと笑いながらこちらに寄ってくる春夜先生は悪魔のようだ。
「シ、てないです!何ですか、その言い方っ!」
「…」
「へー、昨日の今日でもシてませんって言えんだ」
言い返そうと思った瞬間、
「は…?」
翔太の低くい声が、
「…」
「…」
その場を凍りつかせた。
