甘く染めて
第11章 №10
「莉緒!!!」
「小夏!!!」
後ろを振り返ると、
風奈と咲子が息を切らしながら走ってきた。
「ふ、ふだりどもぉ…」
二人の顔を見たら、涙がぶわぁっと出てきた。
「っもう… 莉緒は泣き虫なんだから」
私の涙を体操服のそででぬぐい、風奈が言った。
「ばああっか、二人で抜け駆けすんな!」
意味わからないようなことを咲子が大声で言った。
「莉緒、大丈夫なの?」
「え…?」
「亜純実、最近超機嫌良いから何ていうか…先生絡みかなって」
「先生と最近、よく喋ってたからねー」
「みんなああっ」
皆、気にしてくれてたんだ。
良い友達持ったな…ジーンときたよ、今。