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兎ノ夢

第6章 誕

数々の試練を越えて
多くの仲間を失って
それでも、やっと、貴女に出会えた悦びといったら。

貴女とひとつになる
そこからぼくが始まる
流れ流れて、たどり着く赤い絨毯。

たどり着いた先には、いつも優しい声で溢れていて
ぼくは安心して眠ってしまう

少し長い眠りから覚める。
そろそろ行かなくてはいけないみたい。
ここはとても居心地がいいけれど
優しい声の主に会ってみたくなっちゃったから

少し窮屈な道をぬける
途端に今まで感じたことのないような眩しさと五月蝿さに驚いた
そして声をあげてあの人を呼ぶ

そしたらほら、いつもの優しい声で聴こえるよ

「はじめまして、会いたかった」

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