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兎ノ夢

第8章 ぼくがその意味を知ったならば、それは終わりを迎える時。

きみはいつも、ぼくのひとつ前を歩いている
きみに追い付こうと歩みを速めても、決して追い付くことができない
ぼくはいつも、きみの後を追っている
それは他の道を知らないから
それはきみに追い付きたいから
それはぼくが選んでいるから
それは結局きみという存在に影響を受けているから

ある日突然きみを見失っても
ぼくは歩まなければいけない
左右を見ながらきみを探しつつ、それでも確実に前へ前へ
戻ることはできない
逸れることもできない

ふと、気付く
ぼくはきみを抜かしてしまったのではないかと
戻ることはできない
きみなしじゃ進むこともできない

やっぱりきみの後を追えばいいんじゃないか

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