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シュールな関係

第7章  王子の約束と親の気持ち

「雅也 落ち着きなさい!!」


「落ち着いてないのは

自分の方だろ?

今まで散々押し付けてきて

結婚すら

親に決められるのかよっ」



「もうあの人が帰ってくるから

ちゃんと話し合いましょ?」


動揺しながらお母様の

甲高い声がホール内に響く





恐ろしい世界だ。


もうこんな豪邸より

5万円のぼろアパートが、

晴人が恋しくて恋しくて

帰りたくて仕方がないよぉ~っ



すっかりドン引き状態のわたし



「奥様 ご主人様が

お戻りになられましたが・・・」


お手伝いが二人の会話を

遮るとグレーのスーツを着た

一之瀬さんのお父様が

リビングに入って来た


「二人とも何を興奮してるんだ

見苦しいじゃないか・・・


雅也 落ち着いて座りなさい



奈緒さん

始めまして…ではないね」





ちょっと待って――――



わたしこの人知ってる・・・




会話をするのは初めてだけど



見間違えるはずがない




だって・・・




わたしが務めている会社の





     CEO 
  最高経営責任者





じゃない!!!







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