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シュールな関係

第10章 裏切りの代償って?

「おいっ ボサ~とすんな

早く歩け!!」



「…ひゃい」



心音が早くなるのを感じながら

冷淡無情な一之瀬さんの

後ろに付いていく。



無言のまま数分歩き

少し狭い路地を曲がると


社員があまり行かないような


一軒の鰻屋ののれんを潜った。




高級そうなお店・・・




店内を見渡すと

やはりサラリーマンの姿はない。



「オヤジさん 

いつもの二人分お願いな」


わたしの願いも叶わず

逃げ場のない通路奥の

個室に通される。


二人にしては十分と言えるほど

広い個室。


一之瀬さんは席に着くなり

ポケットから煙草を出して

イラッとした手付きで吸い

話し始めた。



「神崎は俺のこと

協力するって言ったよな?」




「・・・はい」





「なのに好き放題言って勝手に

出ていくし 

俺が電話してるのに

居留守したよなぁ・・・


家に行けばおまえの弟に

『高飛びするらしいから

帰って来ないかも』

って言われたんたぞ



あれだけ協力するって言ったの

誰だっけなぁ~?

そんな裏切る奴の顔を見て

みたいよなぁ」


独り言でも話すかのように

淡々と語り出す・・・・



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